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2008年は、南部陽一郎博士、益川敏英博士、小林誠博士のノーベル物理学賞に続き、下村脩博士もノーベル化学賞を受賞され、日本人(正確には南部博士は米国籍)受賞者が過去最大の4名と言う快挙に、2009年度大学入試での理系志望の増加傾向のみならず、若い子供たちにも科学志向が強まっているようです。これは大変喜ばしいことです。しかし、これが一時的なブームで終わってしまわないようにするためには、わが国の理系教育、とりわけ初等中等教育における科学教育の充実が求められていると思います。
本校は、幸いにも平成14年(2002年)度に SSH校に指定され、2年間の延長期間を含め平成18年(2006年)度までの5年間にわたって、「先駆的科学者・技術者を育成するための中高一貫カリキュラム研究と教材開発」をテーマとした活動を広範かつ活発に行ってきました。その成果が認められ、平成19年(2007年)度からは、新たな5年間のSSH事業の展開がスタートしております。新事業では、「国際社会で活躍する科学者・技術者を育成する中高一貫カリキュラム研究と教材開発―中高大院の連携を生かしたサイエンスコミュニケーション能力育成の研究―」と題して、上記中高一貫カリキュラムの完成のみならず、サイエンスコミュニケーション能力の育成にも重点を置いた活動を開始・展開しております。本年度はその2年目にあたります。本ウェブサイトは、本校が行っております多様なSSH活動の状況と成果を、出来るだけ多くの皆様に知っていただくためのものです。本サイトが皆様の参考になれば幸いです。また、私どもの活動に対する感想や、忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いに存じます。

筑波大学附属駒場高等学校は、2007(平成19)年度に文部科学省の研究開発「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を再度受けることができ、それ以前の5年間と合わせると合計10年間という長期にわたるSSH研究開発を行っている最中です。この第2期のSSHでは、教師から教えられるだけではなく、生徒自身の「教え合い・学び合い」の側面を強調し、他者に教えることで本人にとっても真の理解をめざすこと、そして国際社会の中でも活躍できる力を育成することを目指して、新しい試みを始めています。筑波大学が国際協力協定を結んでいる北京師範大学の附属実験中学(日本の高校にあたる)へ生徒10名を派遣し、研究発表会を行うことなども始まりました。まだまだ一部の生徒を対象に開始したばかりですが、SSHのみならず、日本の教育の弱点を克服する試みではないかと思っております。
折から、国立大学法人となった筑波大学では、第2期の中期計画・中期目標の議論が始まっています。その中で附属学校も、①先導的教育拠点 ②教師教育拠点 ③国際教育拠点 と自分たちを位置づけ、その社会的役割を果たそうとして、この3つの拠点化を将来構想の基本方針と定めました。本校は、現在取り組んでいるSSHに全力を注ぐことが、この3つの拠点化にもつながるのではないかと考えています。
本Web上で今年度の成果と課題を報告しております。さらに向上させるためのご助言をいただければ幸いです。

2007年度、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)五年間の再継続指定を受けました。ここで新しいSSHについて簡単に紹介いたします。
これからの五年間で本校が取り組んでいこうとしていることの一つに、「サイエンスコミュニケーション能力を育成する少人数学習の研究と実践」があります。これは、生徒どうしの教え合いや学び合いを取り入れた授業を作っていこう、というものです。より深い学びは他人に伝えたり教えたりする過程で得られる、というアイデアから「教えることを通して学ぶ」という活動に目を向け、生徒たちにもそれを実践してもらおう、ということなのです。例えば、本校が総合的な学習の時間として行っている高校二年生のゼミナールと中学三年生のテーマ学習をドッキングさせた授業などが考えられます。ここでは、グループ単位で高校二年生が中学三年生に教える場面を設けます。教える側は、説明することの難しさを知り、そこから深い学びへの欲求が生まれるでしょう。また、教えられる側も、身近な先輩たちの学習に大いに刺激を受けることでしょう。中学生には、近隣の小学校で科学実験講座を開く活動を行い、教える側の体験も得られるよう工夫します。
新しいSSHで掲げている柱には、ほかに「国際交流プログラムの計画と実践」があります。筑波大学の研究留学生とふれあう授業、中国をはじめアジアにおいて先進的な科学教育を行っている高等学校に出かけ、研究発表交流を行うことを計画しています。英語で研究発表をする機会が増えれば、一つ目の柱「サイエンスコミュニケーション能力の育成」にも繋がっていくことでしょう。ここでの人と人との交流体験が、将来アジアや広く国際社会で国と国を結ぶ生徒たちの活躍の下地になれば、とも願っています。また、新たに同好会として「サイエンス・コミッティ」という生徒組織が発足しました。ここでは、本校SSHプログラムの評価を生徒の視点から行ってもらい、次年度のプログラム立案にも関わってもらおうとしています。
このように新しいSSHでは、今まで行ってきた教材開発と授業での展開、教員向け実験講座による普及活動、といったさまざまな実践を継続しつつ、一方で生徒が主体となるプログラムを少しずつ増やしていこうとしています。生徒たちの一層の活躍が期待されます。



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